顧客の一番近くで、
事業承継のはじまりから未来までも担う伴走者

須佐 智明

きらぼし銀行 神田支店 兼 神田中央支店 営業課 副支店長
トーキョーにつくす人:事業承継 | 須佐 智明
ここなら人に喜ばれる仕事ができる。
大学の先輩からの助言で銀行員を志す

「お客さまが喜んでいる顔を間近で見ることができる仕事をしたいなって。僕、人のことがすごく好きなんです」

銀行員になった理由を聞くと、照れながらそう呟いた。須佐智明(すさ・ともあき)、38歳。2021年10月、30代で都内有数の規模の支店の副支店長に抜擢され、現在は支店の営業目標の管理や教育、法人顧客の融資、事業承継支援など幅広い業務を託されている。

入行の経緯はやや異色だ。学生時代はレストランの調理担当、少年サッカーのコーチ兼監督など、裏方のアルバイトに精力を注いだ。その経験は、須佐に「人を喜ばせる仕事をしたい」という将来の輪郭をもたらした。

卒業後の進路は、メーカーや商社の企画職を考えていたが、銀行に勤めていた大学の先輩の助言が人生の航路を大きく変えることになる。

トーキョーにつくす人:事業承継 | 須佐 智明-02

「『人から喜ばれる仕事をしたいなら、うちの銀行を受けてみれば?』と誘われたんです。それまで、銀行という選択は頭にありませんでした。でも、よく考えるとお金は誰にとっても大切なもの。先輩の話を聞いて、お金のプロである銀行員こそ、たくさんの人に喜んでもらえる仕事なのではと思い至りました」

選考にエントリーした企業の中で唯一の銀行。面接の過程で出会った行員の人柄の良さに惹かれ、ここなら自分らしく面白い仕事をできるかもしれないと感じた。

「せっかくなら自分がまったく知らない世界へ飛び込もう」と、他の業界の内定を辞退し、入行を決意したという。

入社後は代田支店に配属され、店頭営業、定期預金の案内、住宅ローンや投資信託の相談など個人向けの業務を担当。お金の使い方に関する悩みを解決に導いたり、融資したお金を家の購入に役立ててもらえたり。出来ることが増えると、比例して人の喜ぶ顔に出合える機会が増えた。

5年ほど経ち、五反田支店の営業課に異動すると、今度は新規開拓の法人営業を担当することに。飛び込み営業を通して、度胸とコミュニケーションスキルを養った。

経営者の本心を理解したい。
企業の未来の一端を担う使命と覚悟
トーキョーにつくす人:事業承継 | 須佐 智明-03

個人の顧客に真正面から向き合う仕事と0から1を創り出す仕事。20代の経験は、須佐に銀行員として生きていく覚悟、そして何より働く喜びをもたらした。

「銀行員は不得意分野をなくすことが重要です。聞かれたことに対して、きちんとした知識をもとに返答できる。それが、自分にとって理想の銀行員です」

役職こそ副支店長だが、役割は「オールラウンドのプレイングマネージャー」を自負。日常的に融資などのコミュニケーションを取る中で、法人顧客が事業承継に悩んでいると聞けば、すかさず支援に動く。

「事業承継は支援する側の役割を縦割りで考えてしまうと、お客さまの本質的な課題解決になりません。私のような現場の人間は、お客さまにもっとも近い存在として、最善策を親身に考えなくてはいけないと思っています」

事業承継とは、後継者に会社の事業と資産を引き継ぐこと。言葉にしたら簡単に説明はつくが、合理的に整理できることばかりではない。それは、会社への愛情や譲れない理念など経営者の想いが複雑に絡まり合うからだ。

その絡まりを解きほぐすため、きらぼし銀行には、事業承継に関する各分野のスペシャリストが多数在籍する。しかし、彼らにすべてを任せるのではなく、彼らの能力を活用しながら、顧客との深い関係性を持つ須佐のような支店の人間がコミュニケーションの最前線に立つことに意義がある。

トーキョーにつくす人:事業承継 | 須佐 智明-04

「誰しも自分の心の奥底にある本心や悩みは、簡単には打ち明けられないはずです。ただ、心から満足できる事業継承を叶えるには、支援する側が経営者の本心や悩みを汲み取ることを怠ってはいけません。もし『こんな若造に何が分かるんだ』と思われたとしても、信頼関係を構築するために、とにかく『話しやすい人間』だと感じていただくことを意識しています。事業承継の前も後も顧客に寄り添う存在だからこそ、お客さまに対する理解は誰にも負けたくありません」

心配性だからこそ本心に迫れる。
「喜びと感謝」が仕事の原動力に

事業承継の最善策を提案するためには、経営者の声に耳をかたむけ、対話を重ねることが大切だと言われる。ただ、どんなに優れた策であっても、決断を躊躇する経営者は多い。長ければ2年から3年、決断までに時間を要することは稀でない。

しかし、急かさないことが須佐のポリシー。結論が出たあとも、本当にその判断で良いのか、問い直すこともあるという。

「心配性なんです。事業承継は会社の未来を大きく変える重要事項なので、『本当にその判断で大丈夫ですか?』と聞いてしまいます。言葉ではこう表現しているけど、何か引っ掛かっているときは、その気配に気づく方なので、確かめないと気が済まないんですよね。成果は後から付いてくると思っているので、やっぱり事業承継のサポートには時間を掛けたいんです」

事業承継における須佐のもうひとつの役割は、チームビルディングだ。きらぼし銀行には、事業承継のスペシャリストが在籍しているため、社内の誰に連携を依頼するか、顧客の事業特性や経営者の意向、キャラクターを見極めながら、最適な人物をアテンドする。

これから東京で事業承継が増えると予想している須佐は、きらぼし銀行の組織力を生かして、経営の伴走者として一つひとつの案件に真摯に向き合いたいという。それが東京につくすことに繋がっていくと信じている。

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お客さまファーストで、お客さまのためになることをやっていこう。そのブレない姿勢は新卒の頃から何ひとつ変わらない。そんな須佐に事業承継の仕事に対するモチベーションを聞くと、こんな答えが返ってきた。

「事業承継は最初から最後まで、経営者は気が張りつめています。でも最後の最後、契約をして、納得いくかたちで事業承継が終わって肩の荷が下り、穏やかな表情で『ありがとう』と声をかけてくださったとき、やってよかったと心から思います。ただ、事業承継は承継して終わりではなく、その先の未来で後継者や従業員が幸せになり、事業が持続的に成長することが重要。事業承継後のビジネスにも寄り添えるところが、銀行の強みであり、支店の誇りです」

シンプルで揺るがない、須佐の本質をかたちづくる感情。とことん人が好きなのだ。正直でフランク、けれど心配性で繊細。そんな須佐のパーソナリティが、事業承継という重い難題を解決する局面で、経営者の心を軽くしているのだろう。